労働ビザの新しい基準と申請について

2017年7月27日付の移民大臣(Hon Michael Woodhouse)が労働ビザ政策の変更ついて声明を発表しました。前回4月に発表された最低年収額の基準が緩和されることとなり、新政策が施行される2017年8月28日以降、技能職は年収額によって以下3つに分類されることになりました。

 1. 高技能職 – 年収NZ$73,299以上(中間年収額の150%)のいかなる職種
 2. 中技能職 – 年収NZ$41,538以上(中間年収額の85%)で、かつANZSCO(オーストラリアとニュージーランドの職業リスト)で上位レベル1,2,3に指定されている職種
  ※ 前回発表時は、年収NZ$48,859以上(中間年収額)を予定していたが、基準額が高すぎるという業界団体からの声を政府が調整した結果となりました。
 3. 低技能職 – 年収NZ$41,538未満の職種

今後、中技能職の基準に達していない低技能職に該当する申請者は労働ビザに関して、以下の制限を受けることとなります。

 1. 一回で発行されるビザの有効期限は1年以内に限定
 2. 3年間までは更新が可能
 3. 当該ビザ失効後に1年間ニュージーランドから出国しなければならない
 4. 労働ビザと付帯して申請可能だった家族向けビザの申請不可(配偶者やパートナーが就労可能なパートナービザ、子供の就学ビザ)

従って、低技能職に該当する移民労働者は家族をニュージーランドへ連れての就労が実質的に出来なくなった結果となりました。しかしながら、前回4月の発表時点では、中技能職の最低年収基準がNZ$48,859以上で政策が施行される予定であったものが、今回$41,538に引き下げられる結果となり、年収基準に満たない理由でビザ申請を諦めかけていた移民にとっては朗報となりました。ちなみに、$41,538を時給換算すると$19.97となり(週40時間の雇用契約の場合)、時給$20.00をもらっているかどうかが一つの判断基準になります。

例を挙げると、AさんがBレストランからシェフとして年収$42,000のジョブオファーをもらった場合、年収が$42,000なので、中技能職の基準($41,538)を超え、かつシェフはANZSCOでレベル2に該当しますので、中技能職として最長3年の労働ビザが発行され、パートナーや子供のビザも付帯して申請が可能になります。しかし、これまで同様に最も注意しなくてはならないのが、ANZSCOでシェフとして認められるためには一定の基準があり、それを証明しなくてはならないことです。移民局がそれに該当しないと判断するとビザ申請が却下される可能性があります。

 ※なお、上記の年収基準は2017年8月時点のものであり、ニュージーランド政府により適宜見直されることになっております。

労働ビザ申請については、永住ビザとは違い申請すれば比較的簡単に取れるものという認識があるようですが、実際のところ、ビザ申請が却下されてからご相談に来られるケースも少なくありません。現地大学を出て現地企業からの内定が決まった留学生ですら、労働ビザ申請でつまずくこともあります。労働ビザで提出した書類は移民局に記録として残りますので、特に将来的に永住ビザ申請を考えていらっしゃる方は、労働ビザ申請をあまり楽観視せず、慎重に書類証明をご用意されることをお勧めいたします。

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2017年7月27日 移民大臣声明
https://beehive.govt.nz/release/changes-temporary-work-visas-confirmed