テナントの保護が強化された新しい法律(2022年5月)

ニュージーランド政府は住宅賃貸法(Residential Tenancy Act 1986)の見直しを行い、近年の賃貸状況を反映させた住宅賃貸改正法(Residential Tenancy Amendment Act 2020)が執行されています。

ニュージーランドの不動産価格は高騰値の記録が続き、それに影響され、賃貸をする人口がかつてないほど増えました。そこで、政府は現在の賃貸の特性などを考慮し、テナント側に適度な保護を与える法律に改正しました。

初めにフラットメイトとテナントの違いについて留意しておきます。フラットメイトは、ランドロードを介さず(ランドロードと一緒に住んでいる場合もありますが)、既にフラットに住んでいるテナントと賃貸契約された方のことを言います。テナントはランドロードと正式に賃貸契約(Tenancy Agreement)を交わした人で、Residential Tenancies Act (RTA法)の対象になります。

改正法以前の法律では、「No Cause Termination」という、ある一定の条件下でNoticeをだせば、理由をなしに賃貸契約を解除できましたが、新しい法律ではそれができなくなりました。今後は、大家から解約をを求める為には、主に以下の根拠をテナントに提示している場合に限られます。

  • 大家又は大家の家族が、物件に住む場合 - 63日Notice
  • 物件売却を予定している場合  ― 90日Notice
  • 5日以上の賃料延滞を90日以内に3回行い、3回ともテナントへ通知している場合、裁判所(Tenancy Tribunal)に解約申請が可能
  • 反社会的行動を90日以内に3回行い、3回ともテナントへ通知している場合、裁判所(Tenancy Tribunal)に解約申請が可能

それ以外の重要な変更には:

  • 賃貸料の値上げは、賃貸契約開始後又は最後の賃貸料の値上げが行われた後、12カ月に一回のみ。
  • 賃貸に大きな損傷を与えないMinor Changeに対し、基本費用はテナントの実費になるが大家は不合理に反対する事ができない。例えば、テナントから大家へ室内の壁の色を変更したいという要望があった場合、色の変更は家に損傷を与えない為、大家は反対することができない。だがペイントの色に問題があると考える場合は、大家はテナントが退去する際に元の色に戻すことを要求できる。
  • 大家又はエージェントがテナント募集の広告内に賃料を明確に表示する義務が課せられた。

以上のような変更がなされましたが、その背景には長年の賃貸を余儀なくされるテナントへ、賃貸物件でも「Home」という認識で継続できる住居の確保が意図されいるようです。