ロングステイの準備

ニュージーランドに長期滞在される日本人にまず知っていただきたいことは、「ビザ」と「パーミット」の違いですね。わかりやすく解説すると、ニュージーランド入国前に取得するものが「ビザ」で、このビザが有効であることによって入国時に発行される滞在許可が「パーミット」です。日本とニュージーランドとの間にはビザ免除の協定が結ばれていますから、日本のパスポート所持者が観光目的で渡航する場合、ビザを取得していなくても原則として入国時に3ヶ月間のパーミットを得ることができるというわけです。

では入国後に3ヶ月以上滞在したくなった場合はどうするか。ニュージーランドに入った時点で3ヶ月間のパーミットはもらっているので、その有効期限が切れる前までに最寄りの移民局に出向き、パーミット延長の手続きをすればOKです。ロングステイの場合、観光パーミットを延長されるケースが多いでしょう。所定の書類を用意して申請すれば最長で9ヶ月間の観光パーミットが下りるはずです。
もともと3ヶ月以上の滞在を希望されているなら、予め日本で観光ビザを取得されるのもいいでしょう。ただし、入国前でも後でも申請の条件は変わらないので、ロングステイ中にゆっくり準備すれば大丈夫です。そして、申請時期はパーミットが切れる2週間前を目安にされるといいでしょう。期限ギリギリではよくありませんが、あまり早くに申請しても移民局で受け付けてくれませんので注意しましょう。

パーミットの期限が切れたら、直ちにニュージーランドから出国しなくてはなりません。例え延長の申請が済んでいても、パーミットが切れている場合は不法滞在になってしまいます。また、パーミットはニュージーランド出国時に効力を失うことも覚えておきましょう。ビザを取得してニュージーランドに入国した人は、事前にそのビザがシングル(1回のみ有効)かマルチ(複数回有効)かの確認もしてください。シングルであれば一度ニュージーランドから出国した時点で、そのビザで取得したパーミットは失効してしまいます。再度同じビザで入国し、パーミットをもらいたいなら、マルチビザに切り替える必要があります。こうした諸々の手続きに不安がある人は、ビザ業務を取り扱っている弁護士や、ライセンスを持つビザコンサルタントに相談して申請手続きの代行を依頼するといいでしょう。

そのほか、滞在中に留意したい法律は喫煙ルールの違いでしょう。ニュージーランドでは禁煙法が施行されていて、レストランやバーを含み、建物の中では一切喫煙ができません。愛煙家には厳しいかもしれませんが、喫煙は必ず屋外で行ってください。また、この国にはACCという事故補償制度がありますが、あまりそれを当てにせず、必ず海外旅行傷害保険に加入してください。ACCでは医療費などを給付してくれますが、それはニュージーランド国内に限ったことだけで、日本帰国後に通院したとしても補償対象になりません。加えて、ACC受給者は事故に関しての民事訴訟を起こすことが禁じられているため、個人的に慰謝料などを請求することができないのです。ACCはあくまでも居住者向けの制度で、訪問者には有利なものとはいえません。長期滞在される人はご自身の保険で損害をカバーするようにしてください。

この原稿はニュージーランド政府観光局公式サイト(2009年5月25日更新)に記載しました。